塊根植物(コーデックス)とは
塊根植物(コーデックス)はマダガスカル島や南米、アフリカなどの日差しが強く乾燥したところに自生している植物です。過酷な環境で育つため、水分を蓄えるために根や茎が肥大して塊になりました。
塊根植物は以前に男性向け情報誌「BRUTUS」で特集されたこともあって男性から人気が高いようです。因みに私は女性だからか、最初は塊根植物を見ても心が躍ることがなく、当時は(今もですが)バラ沼に嵌っていたのですが、ものは試しとパキポディウムを購入して育て始めたところ魅力に取りつかれてしまい、今ではあれこれと育てていますので、植物好きであれば女性でも嵌ってしまう人も多いと思います。
生長が緩やかなので年単位で少しずつ大きくなっていく様子を楽しむことができ、形も個性的なので自分の好みを見つけるのも楽しみのひとつです。
塊根植物の生育型
塊根植物は夏に生長する夏型と冬に生長する冬型に分けられます。
育てている塊根植物が夏型なのか冬型なのかを知っておかないと、生長期と休眠期の管理方法を逆にしてしまい、枯らしたり腐らせてしまったりするのできちんと把握しておきましょう。
夏型塊根植物
夏型塊根植物の水やり
- 春に葉が出る様子が見られれば水やりを開始します。この頃の水やりは一気にたくさん与えるのではなく最初は少量から始め、徐々に水の量や回数を増やしていくようにしましょう。
- 葉が出たあと、葉が落ち始めるまでは生長期です。生長期は土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えます。
- 秋になり落葉し始めたら水の量と回数を減らしていきます。春に葉が出始めた時の水やりと逆で、一気に減らさず徐々に減らしてください。
- 冬が来て葉が落ちたら断水します。
夏型塊根植物の置き場所
- 最低気温が15℃以下は室内の窓辺で管理します。
- 最低気温が15℃を超えたら屋外に出しても問題ありませんが、雨が当たらない場所に置きましょう。
冬型塊根植物
冬型塊根植物の水やり
- 秋になって葉が出る様子が見られれば水やりを開始します。葉が出ても一気にたくさん与えるのではなく最初は少量から始め、徐々に水の量や回数を増やしていくようにしましょう。
- 葉が出て葉が落ち始めるまでの生長期は土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えます。
- 春になり落葉し始めたら水の量と回数を減らしていきます。
- 夏は休眠期なので、葉が落ちたら断水します。
冬型塊根植物の置き場所
- 最低気温が10℃以上あるようなら屋外管理で問題ありません。
- 最低気温が10℃以下になるようなら室内管理にしましょう。
暑い夏は水を与えたくなってしまいますが、休眠期ですので水やりは不要です。
塊根植物の入手方法
塊根植物を購入するのは、実生株、現地球(現地株)、種子のいずれかになるのではないかと思います。
実生株
実生(みしょう)株というのは種から育てられた株です。国内実生と表記されているのは、日本国内で種子から育てて、ある程度大きくなってから販売されている株です。
国内実生株は種から日本で育てているため、日本の気候にも順応している株が多く、これから塊根植物を育ててみようと思っている人に特にお勧めです。
現地球(現地株)
現地球(現地株)は原産地で自然にできた株です。
私が感じていることですが、実生株はどちらかというと綺麗に整った感じの株なのですが、現地球は野生っぽさがあるように思います。
現地球には原産地から仕入れて日本で発根させた「発根済みの株」と「抜き苗(未発根)」があります。
発根済みの株は文字通り根が生えた株ですが、抜き苗(未発根)というのは、原産地から輸入されたままで根が切り落とされている株です。こちらは入手したら自分で発根させてあげなくてはいけません。
種子
塊根植物は種子からも育てることができます。
塊根植物の種類によって難易度は違ってきますが、発芽率の良い種類もあるのでやってみようと思われたなら、種子を取り扱っているショップに問い合わせてみるのもいいかもしれません。
種子から育てる時は「種子の殺菌」「用土の殺菌」を行います。また「腰水用のトレー」なども必要です。
私自身、最初はやはり実生株でした。そのうち魅力的な現地株に出会い、そして抜き苗から発根管理をして育て、最近は種子から育てています。種子から小さな株が出てきたときは嬉しくてたまりません。