亀甲竜について
亀甲竜は名前のとおり亀の甲羅のような塊根を持つヤマノイモ科ディオスコレア属の多年生植物です。塊根部分は水分の貯蔵や温度調節の役目を行い、過酷な環境でも生育することができるようになっています。
冬型のアフリカ亀甲竜と夏型のメキシコ亀甲竜があり、アフリカ亀甲竜は南アフリカを中心に、メキシコ亀甲竜はメキシコ北部を中心に自生しています。自生地では塊根の半分や株によっては塊根の殆どが地中に埋まった状態ですが、流通しているものは観賞価値を出すために塊根を出して販売されています。
アフリカ亀甲竜とメキシコ亀甲竜は冬型と夏型という生育期が異なっているほか、塊根の形状もアフリカ亀甲竜は亀裂が深めでゴツゴツした感じで、メキシコ亀甲竜の亀裂は浅めで丸く可愛い印象をもちます。
アフリカ亀甲竜
アフリカ亀甲竜は学名でDioscorea elephantipes(ディオスコレア・エレファンティペス)といいます。冬型なので秋になると蔓を伸ばし葉が出始め、翌年の春までハート形をした葉を茂らせます。
蔓が出てきたら支柱に蔓を絡めるように育てます。アサガオのリング支柱のようなものでもいいですし、ワイヤーで自作してもいいと思います。私はワイヤーで自作したものを利用しており、今年も9月半ばに鉢に差し込みました。10月末現在は下の写真のような感じです。
置き場所
- 10月~11月頃:生長期になりますので日光の当たる明るい屋外で管理します。
- 12月~翌年の2月下旬頃:最低気温が10℃以下になったら室内の日光が当たる窓辺に置きます。
- 3月~4月頃:気温が10℃を超えるようになったら、昼は屋外に出し夜間は室内に入れましょう。
- 5月~9月頃:葉が落ち始めたら休眠期なので、屋外でも雨が当たらなくて風通しの良い日陰に置きます。
屋外管理の際、塊根部を日光に当てすぎると風化してしまうということもあるようなので、葉を利用して強い日光が当たらないようにしたほうが安心です。
水やり
- 8月下旬頃:蔓が伸びはじめたら水やりの開始です。しかし最初は土の表面が湿る程度の水を与えて、蔓の成長を見ながら水の量や回数を増やしていきましょう。
- 9月~翌年の4月頃:水やりは土が乾いてからたっぷりと与えるようにしますが、寒い時期は土の表面が乾いていても鉢内に水分が残っていることがありますので、土の中に指や割り箸を差し込んで鉢内の土が乾いていることを確認してから水やりをしてください。水やりとは別に葉水は与えたほうがいいと思います。
- 5月~6月頃:葉が枯れて落葉しはじめたらそろそろ休眠期になりますので、水やりの頻度を減らします。鉢内の水分がなくなったことを確認したあと3日後くらいに与えるようにしましょう。
- 7月~8月頃:休眠期なので水やりをやめます。この時期に水を与えると根腐れを起こしますのでご注意ください。
肥料
- 植え替え時:緩効性肥料を混ぜ込んで植え替えます。マグァンプKがお勧めです。
- 生長期:10月~3月下旬頃まではハイポネックスなどの液体肥料を規定どおりに希釈して2週間に1回与えます。
- 休眠期:肥料は不要です。
植え替え
植え替えは休眠期から動き始める直前あたりの7月から8月くらいに行いましょう。
注意点
- 植え替える時は用土が乾いていることを確認してから行ってください。
- 黒ずんだ根があればカットしましょう。
- 植え替えてすぐに水やりは必要ありません。蔓が伸びはじめたのを確認してから水やりを開始しましょう。
- 株に対して大きすぎる鉢は水がいつまでも鉢内の用土に含まれていることで根腐れを起こしやすくなりますので、株に合ったサイズの鉢に植えましょう。
- 用土は市販のサボテン用や多肉植物用で大丈夫です。水はけの良さも大事ですが、水はけが良すぎると生長が遅くなることもあるようです。サボテン用や多肉植物用の用土はバランスよく配合されていると思います。
さて最初に書いたように亀甲竜には冬型のアフリカ亀甲竜のほかに夏型のメキシコ亀甲竜もあります。
メキシコ亀甲竜は学名でDioscorea mexicana(ディオスコレア・メキシカーナ)といい夏型の塊根植物です。見た目はアフリカ亀甲竜より亀裂が浅いのが特徴です。
メキシコ亀甲竜はまだ育てたことがないので、育て方等については入手して暫く経った頃に書いてみたいと思います。